ゲームとかの話

ゲームを中心としたヨタ話 ……だったんだけど、アニメとかプロレスとかの話が増えてきました。昭和生まれオタク話ブログってことで。

新しいスマホゲーが出てこない理由

genzui.hatenadiary.jp

↑記事、そこそこアクセスいただいているようで。

 

ということで、続編です。

今回も、先に答えだけ書くと、「予算を獲れるビッグネームが生まれない、ビジネススキームの構造上の問題」ということなのかな、と。

 

 

売れるためにはゲームの出来が「メタスコア的なスコアが高い」という意味で、良くなければなりません。

スコアを出すには、細かいところがよくできていないといけません。 細かい部分がストレスフルだと、評価は上がりませんからね。

 

ですが、細かい部分がよくできているためには、たくさんの人間の目が入って、事前に評価されないといけません。また、気持ちのよさというのは時として、フレーム単位ms単位での処理の最適化を行わなければならなかったりする。1秒あれば処理できるだろうと、waitやdelayで処理していた部分を、切り詰めて処理が終わった通知を受けて処理する、みたいなコストのかかる実装にしなければならなかったりするわけで。

 

つまり、予算が必要。
人の目を入れるという部分では、レビューをする段取りだったり、有意なレビューができる初見レビュワーの確保だったり、っていう段取り力やスキームが必要になってきます。気持ちのよさ、レスポンスの良さについては、単純に技術力と蓄積された経験が者を言ってきたりもする。まぁ、いずれにせよ、それ相応にコストはかかります。

 

で、予算を獲得するためには、売れる見通しが立っていなければならなりません。 売れる見通しを立てるには、実績のある企画でなければなりません。

企画段階で、その面白さを理解できる経営陣はいないことはない。ただ、ゲームデザインが新しければ新しいほど、必要とされる規模の予算を、全く新しい企画に投下し得るプロデューサーは、ほぼいないんだろうと思います。見込まれる収益に対して、有意に可能性のある投資であるかが問われてしまう局面で、博打を打つつもりで数億規模の予算を突っ込む責任を負える肝のあるプロデューサーは、そうそういないでしょう。彼らもサラリーマンなわけですから。わがまま言ってもいいでしょう、と許される人は、ヒット作を何本も世に送ってきた監督たちレベルでないと、なかなか難しい。アニメ業界で言えば、宮崎駿庵野秀明といったレベル。細田守はその域に達しつつあり、新海誠は、天気の子のやらかした感がどの程度であったか、次第でしょうか。

国内のゲーム業界にも何人かそういう人たちはいますが、スマホゲームという業態において、そこまでの信頼感を得ている人はいないと思います。

 

スマホゲーがクソなのは、「安定して売れるゲームを作れる」という人材の不在に原因がありそうです。「自分のやりたい新しいこと」にチャレンジさせてもらえる人が、いないのです。

これは業界が成熟してきたということでもありましょう。バブル期のスマホゲー界隈であれば、予算規模の小ささから、無名のプロデューサー・企画者が出す「新しいゲーム」でも、ワンチャン博打を打てる規模でした。ですが、今はもう、そうではなくなっている。

名声が予算を生み、予算が評価を生み、評価が名声を高める…というスパイラルを、スマホゲー界隈は作れていません。そして、スマホゲーは、そういうビッグネームが生まれにくい業態でもあります。

スマホゲーの息は長いです。リリースしてから、月額いくら稼いだか。トータルでどのくらい時間をかけてリクープしたか。元を取れたか。という商売になりました。

スマホゲーという業態において、タイトルの成否が明らかになるまでに、非常に長い時間がかかる時代になったということです。

ゲームが、「買い切りの作品」ではなく、「よくできたサービス」に変質していった時点で、「ゲーム企画の良し悪し」であった、「企画者の過去の実績」を作っていくのに、膨大な時間がかかるようになってしまった。

また、作品ではなくサービスとしての良さ、みたいな価値基準が生まれた以上、根本のゲームデザインではなく、運営のサービスの行き届いている具合、みたいなものがゲームの評価になっているという側面もあります。

 

とりとめもない話になってしまいましたが。
スマホゲーはもはや、新規参入者が博打に勝てるほど簡単な世界ではなくなってしまった
②先行するヒット作を抱えるパブリッシャーにとって、新作に投じる予算よりも、既存のヒット作の運営、延命施策に予算を投じるほうが、投資合理性にかなうようになってしまった
といったあたりが、「新しいスマホゲーが出てこない理由」という問いに対する答えになるのかな、と。
それが、「予算を獲れるビッグネームが生まれない、ビジネススキームの構造上の問題」という言葉に結実するのではないかと。