ゲームとかの話

ゲームを中心としたヨタ話 ……だったんだけど、アニメとかプロレスとかの話が増えてきました。昭和生まれオタク話ブログってことで。

【銀英伝】何故アスターテで同盟軍が外線戦術を使用したか問題② #銀英伝

 

今回は、前回の続きです。

genzui.hatenadiary.jp

前回を読んでない方は、まず↑からどうぞ。

 

 

仮説① : 銀英伝宇宙は航行可能領域が極端に狭く、行軍長径の問題が存在していた

 

仮説①では、そもそも「行軍長径」が弊害として無視できない環境が、陸戦同様に銀英伝宇宙にも存在したのではないかという仮説です。

つまり、戦略機動に耐えるだけの航行可能領域が制限される隘路がそこここに散在している、という仮定です。

 

 

作中にはイゼルローン回廊、フェザーン回廊という、同盟と帝国を分かつ二つの狭隘地形が登場します。

アムリッツァに続く同盟の帝国領侵攻作戦において、キルヒアイス提案の回廊出口待ち伏せ策が成立し得たことから、イゼルローン回廊が出撃全艦隊を並進させる空間的余裕を持たないことは示されています。

 

航行可能な艦艇数に制約を課す狭隘な地形は、海上における海峡と同様な戦略価値を有するわけで、ジブラルタルシンガポール戦略的価値は、イゼルローンのそれと相似形をなすと言えます。

 

海峡や地峡は、同時通行可能な兵力の帯域を制約するという意味で、大規模な軍勢に行軍長径の増大を強制するため、守るに易い地形と言えます。急所という意味で、チョークポイントとも呼ばれます。

 

イゼルローンというチョークポイントは、

・帝国と同盟の国境をなしていること

・戦略的に並列的な価値を持つフェザーン回廊との距離がとてつもなく長大であること

を理由として、計り知れない戦略上の価値を持ちます。

 

イゼルローンとフェザーンという、帝国と同盟を隔てる隘路の存在感に目を奪われがちですが、銀英伝宇宙には同様の隘路が点在していると考えられます。

そうすると、同盟艦隊の策源地(ハイネセン)から、想定戦域であるアスターテまでの進撃路も、隘路における通過時間が問題になってきます。

アスターテ派遣艦隊を三分するという分進合撃戦略は、並列的に存在する隘路を迅速に通過するための、対処的戦略であった可能性は否定できません。

 

後年のアムリッツァに連なる帝国領侵攻作戦の場合とは異なり、既に帝国軍艦隊は迫りつつありました。

想定戦場に迅速に邀撃戦力を移動させるために3つの「回廊」に分散させる必要があったとするならば、同盟軍の「分進」戦略には、一定の合理性があったと考えられるでしょう。

 

 

街道における「行軍長径」そのものの問題こそ宇宙では無関係ですが、大軍が隘路を通過するために拘束される時間的ロスから免れることを考慮すれば、宇宙戦においても分進合撃策は、戦略機動上、有力な選択肢として考慮されて然るべきだったでしょう。

 

 

引き続き、本稿では同盟軍の採った分進合撃策に合理性があったかについての考察を進めたいと思います。

次回は、隘路の存在と同様に、大艦隊を戦略機動させる際に問題となる、補給と兵站に焦点を当てて論考してみたいと思います。

 

 

つづく