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【ゲームデザイン研究序論3】ゲームデザイン研究の意義

ゲームデザイン研究の意義

ゲームデザインを研究することは何をもたらすのか。
RPGという分野において、「戦闘」シーンへの遷移に「ランダムエンカウント」システムを採用しているものがある。また、「シンボルエンカウント」システムを採用しているものがある。シミュレーションゲームは、そのシステムから「ターン制」と「リアルタイム制(すなわちRTS)」に分類される。ゲームデザイン研究の目的は、これらを分類して悦に入ることではない(筆者の目的はそこであるが)。ゲームデザイン研究の有用性とは、現場レベルでの意思疎通を円滑にする機能であったり、入社したての新人に「とりあえずこれ読んどけ」と提示して教育コストを低減させる機能なのではないかと思う。これらの分類・考察が、開発現場で業務を行なう者たちの「共通認識として知っておくべき事項」としてコモンセンス化されることが目標である。現場のゲームデザイナーたちが提出する各種仕様の採用理由について、「実行」領域のスタッフたち(たとえばプログラマー、たとえばグラフィックデザイナー)が理解するための教養となっていていただきたいのである。そして言うまでもなく、ゲームデザイン研究が体系的にまとめられていることは、コモンセンス化のためには必要不可欠である。

ゲーム開発に必要な技術知識は年々高度化している。だが、「ゲームデザイナー」の技術が高度化しているかと問われると、首をかしげざるを得ない。これはパクリゲーやクソゲーが氾濫する市場を見渡していただければ同意いただけるのではないだろうか。
開発現場における「プランナー」のキャリアは微妙である。結果を残した者は「ディレクター」へと昇進し、やがてはプロデューサー、そして経営層へとその歩みを進めていく。また、結果を残せなかった者は、業界を去る。「プランナー」として現場に留まり壮年期以降の人生を過ごすには、求められる知的水準に対してこの業界の待遇は悪すぎるのだ。かくして、現場には若手や他業界から夢を求めてやってくる「経験の浅いプランナー」が氾濫する。ゲームデザインというものに思考リソースを割き続ける立場に居続けることが極めて難しいのだ。ゲームデザインを継続的に研究する者の不在は、従事者の回転の速さによるものなのではないかと思っている。
ゲームデザイン研究は、これまで試行錯誤されてきたゲームデザインの過去と現在を整理することで、「車輪の再発明」を抑止できるかもしれない。
従って、ゲームデザイン研究は、そのデザインを採用したタイトルも可能な限り参照できる形になっているべきだろう。実際に遊んでみなければわからないことは、非常に多い。と言うよりは、すべてのデザインがそうなのだ。