ゲームとかの話

ゲームを中心としたヨタ話

【ゲームデザイン研究序文1】序論

ゲームデザイン研究・序論

▼はじめに

本稿の二次的な目的は、とかく曖昧に語られがちな「ゲームデザイン」という概念を、デジタルゲーム(主に企業が製作し商業流通に乗るもの)の制作の現場でなされがちな議論を整理し、多少なりとも明確化することにある。ゲームルールの策定・データ設計などのフィールドでは、日々、同種の議論が繰り返されている。乱暴に一言で要約すると、「我々は何を作るのか」である。ゲーム制作の現場で、バックボーンを異にする開発者同士が、その業務において共通認識が形成されていないことによる弊害は多い。仕上がりイメージが異なるために発生するリテイク、度重なるリテイクによるスケジュール遅延、多発するバグ。そして迫りくる納期によってデスマーチがもたらされる。とかく時間と精神的持久力を消耗させがちな、制作現場における「意識の刷り合わせ」の効率化にほんの少しでも寄与できれば、と願う次第である。
ちなみに、本稿の主目的は、筆者の自己満足であることは付記しておこう。とはいえ、本論を筆者ひとりで展開していくことには当然限界があるし、ゲームデザインの研究が扱うものが「人間の好き嫌い・感情の揺れ」という、きわめて曖昧で属人的評価に依存するものである以上、議論を磨き上げるためには多角的な視野は不可欠である。したがって、感情に基づく罵詈雑言のようなものを除き、意見や感想の表明は大歓迎である。コメント欄は解放しているので、思う所のある読者に置かれては、貴重なご意見を賜れれば幸いである(ただし、即時性が求められるものでもなかろうと思料されるため、承認制とはさせていただく)。
また、本稿は筆者の属性として、「商用デジタルゲーム」開発にまつわる諸問題を中心に取り扱う。「ゲームデザイン」という言葉の持つ多義性に対して、取り扱う分野がいささか狭くならざるを得ないことを、冒頭でお詫び申し上げておきたい。