ゲームとかの話

ゲームを中心としたヨタ話

詫び石ダンピングがもたらした課金アドバンテージの圧縮

パズドラクローンの課金構造について。

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ゲームを有利に進めるための課金ですが、
このための課金トークンの無料入手ぶんのバランスについて。

パズドラ以前にも、課金トークンの無償配布、というデザインは存在しました。
ブラウザ三国志では、1シーズン(4か月)に1回、
200円ぶんくらいのトークンが入手できる仕様になっていたと思います。

しかし、モンストを例にとると、「顔合わせボーナス」でオーブが140個も取得できます。
これはまとめ買いも考慮すると、だいたい1万円分の課金トークン配布になるわけですね。
システム・仕様レベルで搭載されている課金トークンの配布額の桁が
爆伸びしたということです。

これが何をもたらしたかと言うのは、これまでに何度か言及してきました。

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前回までの記事で、サービサー側の収益構造の視点で、
「少数の重課金者がサービスを支えている」という面について言及してみました。

今回は、ゲームデザインの視点で、「課金する」というプレイ行為が
どのような価値になったかを考察してみようと思います。

課金トークンを、ゲーム内で使える「資産」として考えてみます。
この資産は、多額をつぎ込むことによりゲームを有利に進めることができます。

課金トークン無料配布分が劇的に増加したことは、
ネトゲの要素としてどのように機能しているのでしょうか。

以下は、数字を極端にしたモデル図です。

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※ 軽課金:1000円
  重課金:10000円  とした時の模式図


課金トークンを使うことによって得られる、ゲーム上のアドバンテージの差が、
劇的に縮まっていることがお分かり頂けるかと思います。

我々は、何のために課金するのか?と考えてください。
「ほかのプレイヤーに差をつけたい」
という動機が強く働いていることに気づきます。

デザイン上にしろ、運営方針上にしろ、
課金トークンを大量配布することが何をもたらすか?

軽課金ではほとんど差がつず、重課金しないと課金アドバンテージの成果が実感できない
と言うことなのです。

課金トークンの大量配布によって、
まさしく課金トークンがインフレ(=貨幣価値が下落)してしまっているのです。

ユーザーは詫び石を求めます。「詫び石はよ」と。
モンストも、365日ログインで、顔合わせボーナスを
さらに100個積み増しという施策を打ってきましたね。

課金トークンがインフレすればするほど、課金によるアドバンテージが小さくなり、
アドバンテージを得ようとするにはさらに重課金が必要になる、
という構造が亢進することになります。


この構造に気づいてか気づかずなのかはわかりませんが、
最近リリースのタイトルでは(特にスクエニ系)、
デノミを行って対応するケースが散見されます。

  ※最小単位が、魔法石1個100円 ではなく、
   トークン100個100円という桁づかいが増えた

ログボや詫び石の基準が、課金ガチャ1/5回ぶん(約100円)のままですが
(けち臭いと感じられてしまうのを避けているのでしょう)、
これは、課金トークンの発給額の単位を小さくして、
インフレ圧力を下げることが可能なデータ設定だと言えます。
(※実際のバランス的には、1回の発給額を小さくするぶん発給回数が増えているので、
  インフレ圧力を下げる、という方針ではなく、
   少額をちょろちょろ垂れ流すことでプレイモチベーションを維持しよう
  というのが目的なのでしょう。)


さて、デノミ施策によって、インフレ抑制に向けた前提が一つ整いました。
今後、スマホアプリの課金バランスはどうなっていくのでしょう?





蛇足ですが、これまでの記事で、
私は「多くのユーザーが課金して遊ぶなんてアホと思っている」と主張してきましたが、
AppStoreの各タイトル売上上位アイテムを見ると、
1口120円アイテム(Appleの電撃値上げ前は100円)が一番売れているんですね。

※パズドラ
https://itunes.apple.com/jp/app/pazuru-doragonzu/id493470467?mt=8

※モンスト
https://itunes.apple.com/jp/app/monsutasutoraiku/id658511662?mt=8


少なくとも販売「額」ではまとめ買いの方が売り上げが高いと思われますが、
販売「件数」では、最小単位の課金が多くなっています
(読み方あってますよね?ちと不安w)。

これが何を表しているか?

①射幸心を煽られたオッサンが、ついつい100円ずつダラダラ課金している
②射幸心を煽られた子供が、なけなしの100円を課金している
③幅広いユーザーが100円ずつ課金している

③と解釈して、パズドラ・モンストの強みは少額課金ユーザーの多さ、間口の広さだ!
と解説している言及もいくつか見かけます。

しかし、実態としてはどうなんでしょうか。
①だとすると、オッサン、アホやなーで済みますが、
②だとすると、何と罪深いことか。

③だったならば、
 「よかった。射幸心ギスギスな不幸な世界なんてなかったんや……」
と言うことなので、こういう商売はぜひともどんどんやってください、で良いんですけれど。